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令和8年度の診療報酬改定では、看護の領域にICT機器等を導入して、一定の要件を満たせば、看護師の人員配置基準の最大1割程度の減少を認めることとされました。
そこで、厚生労働省が提供しているWebサイト通称いきサポ(https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/)に掲載されている現段階の事例を整理して、看護DXの最新の取り組み状況を簡単に説明しておきます。
1 外来でのAI問診導入 国立病院機構甲府病院
初診外来時の問診票への記入を、それまでの紙ベースからタブレットへの入力に変更。患者への入力方法の説明は、医師事務作業補助者にタスクシフトしました。これにより記入漏れチェック作業と電子カルテへの転記作業がなくなりました。
2.患者説明動画サービスの導入による説明業務の効率化 国立病院機構甲府病院
これは患者への紙ベースでの説明資料の代わりに、タブレット端末を患者に渡し、説明動画を視聴してもらうものです。これにより説明時間が短縮し、複数人への同時説明が可能となりました。インシデントの発生の防止にもつながりました。また、看護師以外へのタスクシフトも可能となりました。
3.バイタルサインの自動入力活用による入力作業の効率化 育成会篠塚病院
通信機能付きバイタルサイン測定機器を活用し、患者のベッドサイドでICカードリーダーにタッチすることで、測定結果が自動的に電子カルテに反映されます。従来は病室で測定結果をワークシートに記入し、ナースステーションに戻ってから電子カルテに入力するという二重の作業が必要でしたが、これが省略できるとともに、転記ミスがなくなりました。
4.モバイル端末活用による看護記録入力 大阪医科薬科大学病院
ベッドサイドで、モバイル端末の電子カルテ入力補助を活用してリアルタイムに看護記録を入力。患者識別にICチップを導入し、モバイル端末で患者認証をしたうえで、患者の状態等を写真撮影をして、電子カルテへ写真を添付しています。なお、HITO病院では、アイフォンから看護記録を音声入力し、代行入力者が仮登録する運用を構築しています。また、横須賀共済病院では、看護師が回診時にピンマイクに看護記録を音声入力し、これをAIを利用してテキストに変換する試みがなされています。
5.ピクトグラムシステムの導入 愛知県厚生連海南病院
ベッドサイドに設置したタブレット端末に看護記録を入力、また、電子カルテシステムとタブレット端末を連動させ、タブレット端末に患者の電子カルテ情報をピクトグラム(視覚的なアイコンや図形を用いその意味概念を理解させる記号)で表示させて、患者の状態の最新の情報を確認するシステムを利用しています。
6.ナースコールと連動したインカム活用 育成会篠塚病院
ナースコールが鳴った際、看護師はその都度ナースステーションに戻り、コールのあった病室を確認する必要がありましたが、インカムの導入により、その場でナースコールを確認できるとともに、他の看護師の情報をインカムで共有することで、訪室時間が短縮できました。
7.スマートグラスを活用した患者身守り業務の効率化 石川記念会HITO病院
ナースコール発報後に、ベッドサイドの見守りカメラ映像とスマートグラスをモバイル端末などで確認して、適切な対応を判断することで、安全向上、スタッフのストレス軽減、患者の転倒防止対策にもなります。上記6のインカム導入とともに、夜勤帯において特に有効であると思われます。
8.アイフォンへの移行と業務用SNSの構築 石川記念会HITO病院
PHSに替えて、アイフォンで業務用SNSを構築。電話連絡による業務中断がなくなり、(特に医師への)業務連絡に伴うストレスが軽減。アイフォンで撮影した画像やデータの送信、動画を含む情報共有(注意事項、申し送り等)や研修コンテンツ配信を実現できました。
以上詳しくはイキサポの以下のサイトをご覧ください。
上記の1、2、5については、https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/casestudy-movieを、
3、4、6、7についてはhttps://www.mhlw.go.jp/content/001590713.pdf を、
8については、https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/casestudy/issue-detail?issue-id=171をご覧ください。
(今回の担当:医療労務管理アドバイザー 田淵淳一 社会保険労務士 )