鳥取県医療勤務環境改善支援センター

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第79回勤改センター通信『カスタマー・ハラスメント対策で大切な職員を守りましょう』

 私は先日、「カスハラ」について院内職員研修を行いました。皆様の職場でも、「カスハラ」でお困りではありませんか?

「カスタマー・ハラスメント(カスハラ)」とは、顧客等から就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、就業環境を害するものをいう(東京都の定義)。

近年、労災認定基準に「カスハラ」に関する項目が明記されたり、東京都が「カスハラ」防止条例を制定(令和7年4月1日施行)するなど、法整備も進みつつあります。

カスハラ被害を受けた職員は心に大きなダメージを受け、離職してしまうケースもあるため、離職防止・人材定着の観点からも職場での対策が不可欠です。

 

1.クレームの種類の見極めを

クレームは大きく次の3種類に分けることができます。

①一般クレーム …商品やサービスが、お客様の期待値を下回った。

②特殊クレーム …「対応が悪い」「気に入らない」などと、延々と無理な要求や説教を続けてくる。ストーカーまがいの行為に及ぶことも。

③悪意クレーム …金銭の要求や業務妨害など。暴力や、「土下座しろ」という要求も。

②と③はハードクレームと呼ばれます。職員を守るためにクレームの線引きをし、組織的な対応をしましょう。

2.クレーム初期対応では、まず謝罪しましょう(部分謝罪)。

「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。」、「ご不便をおかけしまして、申し訳ございません。」等

3.6W3Hで具体的な内容を聞き出す

・いつ(When)       ・誰に(Whom)

・どこで(Where)      ・どのように(How)

・誰が(Who)        ・いくらで(How much)

・何を(What)        ・どれだけ(How many)

・なぜ(Why)

4.対応者を交代することで相手をクールダウン

・人を代える

・場所を変える

・時を変える

5.クレーム対応後は、クレームカードを作成し、情報共有して今後に活かしましょう。

6.クレーム対応マニュアルの作成を

対応手順は具体的に記載して、誰でも判断できるように

・「長時間」ではなく「1時間以上」

・「何回も繰り返す」ではなく「4回以上繰返す場合」等

7.警告ポスターの掲示も効果的です。「暴言・暴力・悪質クレームは絶対に許しません」

「当院では警察と連携して患者さんや職員への暴言・暴力・悪質クレームなどの迷惑行為を発見した場合、速やかに警察に通報します。〇〇病院」

 

大切な職員を守り、病院を守るため、ケーススタディ等の職員研修を実施するのも効果的です。鳥取県医療勤務環境改善支援センターでは講師派遣も対応しておりますので、ご希望があればご連絡ください。

(今回の担当:医療労務管理アドバイザー 西山 理一 社会保険労務士)

 

 

▶鳥取県医師会報2025年1月号(No.835)掲載記事はこちら