安心して働ける快適な職場を作りましょう!!
私は先日、「カスハラ」について院内職員研修を行いました。皆様の職場でも、「カスハラ」でお困りではありませんか?
「カスタマー・ハラスメント(カスハラ)」とは、顧客等から就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、就業環境を害するものをいう(東京都の定義)。
近年、労災認定基準に「カスハラ」に関する項目が明記されたり、東京都が「カスハラ」防止条例を制定(令和7年4月1日施行)するなど、法整備も進みつつあります。
カスハラ被害を受けた職員は心に大きなダメージを受け、離職してしまうケースもあるため、離職防止・人材定着の観点からも職場での対策が不可欠です。
1.クレームの種類の見極めを
クレームは大きく次の3種類に分けることができます。
①一般クレーム …商品やサービスが、お客様の期待値を下回った。
②特殊クレーム …「対応が悪い」「気に入らない」などと、延々と無理な要求や説教を続けてくる。ストーカーまがいの行為に及ぶことも。
③悪意クレーム …金銭の要求や業務妨害など。暴力や、「土下座しろ」という要求も。
②と③はハードクレームと呼ばれます。職員を守るためにクレームの線引きをし、組織的な対応をしましょう。
2.クレーム初期対応では、まず謝罪しましょう(部分謝罪)。
「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。」、「ご不便をおかけしまして、申し訳ございません。」等
3.6W3Hで具体的な内容を聞き出す
・いつ(When) ・誰に(Whom)
・どこで(Where) ・どのように(How)
・誰が(Who) ・いくらで(How much)
・何を(What) ・どれだけ(How many)
・なぜ(Why)
4.対応者を交代することで相手をクールダウン
・人を代える
・場所を変える
・時を変える
5.クレーム対応後は、クレームカードを作成し、情報共有して今後に活かしましょう。
6.クレーム対応マニュアルの作成を
対応手順は具体的に記載して、誰でも判断できるように
・「長時間」ではなく「1時間以上」
・「何回も繰り返す」ではなく「4回以上繰返す場合」等
7.警告ポスターの掲示も効果的です。「暴言・暴力・悪質クレームは絶対に許しません」
「当院では警察と連携して患者さんや職員への暴言・暴力・悪質クレームなどの迷惑行為を発見した場合、速やかに警察に通報します。〇〇病院」
大切な職員を守り、病院を守るため、ケーススタディ等の職員研修を実施するのも効果的です。鳥取県医療勤務環境改善支援センターでは講師派遣も対応しておりますので、ご希望があればご連絡ください。
(今回の担当:医療労務管理アドバイザー 西山 理一 社会保険労務士)