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『令和6年4月1日からの、医師の36協定届について』
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)により改正された労働基準法(昭和22年法律第49号)において、時間外労働の上限は、原則として月45時間、年360時間(限度時間)とされ、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間以内(休日労働含む)とされました。
しかし、医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要である医業に従事する医師については令和6年3月31日までの5年間の適用猶予期間が設けられました。
そして、医業に従事する医師(労基法第141条第4項)の中でも、病院若しくは診療所で勤務する医師(医療を受けるものに対する診療を直接の目的とする業務を行わない者を除く)又は介護老人保健施設若しくは介護医療院において勤務する医師については、「特定医師」(労基則附則第69条の2)とされ、医師の上限規制(労基法第141条第1項)の対象となります。
適用猶予期間の修了、医師の上限規制の開始に伴い、令和6年4月1日以降に使用する36協定届の様式が変わりますので、ご紹介します。
≪36協定とは≫
まず「36協定」とは、労基法36条に規定する、「時間外労働・休日労働に関する協定届」で、法定時間外労働(原則1日8時間、1週40時間を超える労働)を行わせる場合に必要となりますので、法定時間外労働及び法定休日労働を行わせることが無い場合には不要です。
≪36協定届の様式が変わります≫
そして、使用する協定届の様式についてご注意ください。特定医師については、限度時間以内で時間外・休日労働を行わせる場合(一般条項)「様式9号の4」、臨時的な特別な事情で限度時間を超えて時間外・休日労働を行わせる場合(特別条項)「様式9号の5」を使用します。医師以外の看護師や事務職員等についても定める場合は、併せて記載することもできます。
≪健康及び福祉の確保を≫
限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置を定め、具体的内容を記載する必要がありますので、適切な措置を講じてください。
(今回の担当:医療労務管理アドバイザー 西山 理一 社会保険労務士)