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「働き方改革は労働時間の適正な管理から」
「働き方改革」を推進するためには、適正な労働時間を把握することが欠かせません。2019年4月の労働安全衛生法改正では長時間労働者に対する面接指導を実施するための状況を把握することが規定され、「管理監督者」や「裁量労働制」の適用労働者も含め、すべての労働者の労働時間の把握が使用者の義務となりました。法令遵守やリスク回避のみでなく、労働者の健康や生活の質を守り、生産性やモチベーションを高めるためにも適正な労働時間管理は重要です。
《「労働時間の適正な把握のため使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(2017.1.20)を踏まえた労働時間管理》
ガイドラインでは、「使用者」には、労働時間の管理を適切に行う責務があると記載されています。労働者任せではなく、使用者の責任として労働時間を適切に管理することが求められています。
ガイドラインの概要は以下の通りです。
(1) 始業・終業時刻の確認及び記録
使用者は労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること
(2) 始業・終業時刻の記録の原則的な方法
原則として、タイムカードやICカード、パソコンのログインログオフ時間、使用者による現認など、客観的な記録により労働時間を確認し、記録すること
(3)例外的に「自己申告」により労働時間を把握する場合、次のような措置を講じること
➀自己申告制の対象となる労働者本人に対し、労働の実態を正しく記録して適正に自己申告するよう十分な説明を行うこと
②勤怠管理担当者へガイドラインの内容について説明すること
➂自己申告のあった時間と実際の労働時間に乖離がないかを必要に応じて調査し、補正すること
④自己申告した労働時間より長く院内にいる労働者がいることがわかったら、報告が適正に行われているかについて確認すること
例えば、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等として労働時間ではないと報告されていても、実際には、使用者の指示命令下に置かれていたと認められる時間については労働時間として扱わなければならない。
⑤労働者が自己申告できる労働時間に上限を設け上限を超える申告を認めないなどの運用をしてはならないこと
(4) 賃金台帳の適正な調整
労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数を賃金台帳に適正に記入すること
(5) 労働時間の記録に関する書類の保存
労働時間に関する書類について、労働基準法109条に基づき、5年間(当分の間は3年間)保存すること
(今回の担当:医療労務管理アドバイザー 安酸 早苗 社会保険労務士)