鳥取県医療勤務環境改善支援センター

安心して働ける快適な職場を作りましょう!!

鳥取県・鳥取労働局委託事業:公益社団法人 鳥取県医師会

第47回勤改センター通信『治療と仕事の両立支援について』

 働き方改革関連法案が施行されておりますが、厚生労働省の働き方改革実行計画には「病気の治療と仕事の両立」についての記載があります。この「病気と治療と仕事の両立」について、それまで健康だった従業員が病気にかかり治療が必要になると、以前のように働けなくなるケースが出てきます。治療しながら働きたい人にとっては、治療と仕事の両立はその人にとっては課題となります。

 職場において治療と仕事の両立支援の体制整備の取組みが検討、整備されることで、継続的な人材確保」、「職員の安心感」、「モチベーションの向上による人材の定着」につながる一方で、治療と仕事の両立支援の取組み状況は職場によって様々であり、支援方法に悩む担当者も少なくありません。厚生労働省は治療と仕事の両立支援を進めるためのポイントを以下のとおり示しています。

①基本方針の具体的な対応方法、ルール(就業規則、各種規程等)を作成し職員に周知し治療と仕事が両立しやすい職場環境を整備

②職員、管理者に対して研修等、意識啓発の取組みを実施

③両立支援は、病気療養中の職員から職場に復帰したい申出から始まりますので安心して相談、申出が行える相談窓口を周知

④職員の治療に配慮するために、休職制度や勤務制度など実情に応じて検討

  ポイントの④について、就業規則には一般的に私傷病による休職規程が定めてあると思いますが、令和4年1月の傷病手当金制度改正(詳細についてはセンター通信第45号をご参照下さい)についてもこの「治療と仕事の両立」に対応する為に改正となった経緯がございます。この傷病手当金改正に関連し、「治療と仕事の両立」に関する制度整備と就業規則に規程されている私傷病による休職規程の見直しをご検討されてみてはどうでしょうか。

 厚生労働省の「事業場における治療と仕事の両立支援ガイドライン」では両立支援を行うための環境整備、留意事項、支援の進め方が記載されています。また企業と主治医が連携して「治療と仕事の両立支援」をしていくための文書様式例が掲載されています。

 また、このガイドラインの参考資料として作成された「企業・医療機関連携マニュアル」には具体的な事例が掲載されていますので、「治療と仕事の両立支援ポータルサイト」よりダウンロードができますのでご活用下さい。

この他に、このポータルサイトでは事業主向け以外に、「医療機関・支援機関の方へ」があります。ここには両立支援を充実させるための診療報酬に関する内容が記載されておりますのでご確認をしていただければと思います。

(今回の担当 医療労務管理アドバイザー 板倉 剛 社会保険労務士)

 

 

 

▶鳥取県医師会報2022年5月号(No.803)掲載記事はこちら