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第44回勤改センター通信『改正育児・介護休業法のポイント』

出産・育児による従業員の離職を防ぐためにも、男女とも仕事と育児を両立できる社会の実現が求められ、男性新入社員の約8割が育休取得を希望しているという調査結果もありますが、全国的な育児休業取得率は女性が8割台で推移しているのに対し、男性は上昇傾向にあるものの令和2年度で12.65%にとどまっています。また、約5割の女性が出産・育児により退職しており、一方で夫の家事・育児時間が長いほど、妻の出産前後の継続就業割合が高く、第2子以降の出生割合も高いというデータもあります。

このような背景のもとに、育児・介護休業法が改正され、今年の4月1日より段階的に施行されます。今回の改正では、育児休業を取得しやすい環境整備や従業員への個別の制度周知・意向確認などが義務化され、特に、男性の育児休業の取得促進として、通常の育児休業とは別に、新たに出生時育児休業(産後パパ育休)の規定が設けられたところです。

主な改正内容は次のとおりです。

1 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び対象者への個別の周知・意向確認の措置の義務化(4月1日施行)

2 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(4月1日施行)

有期雇用労働者の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上」という要件を廃止する。(ただし、労使協定を締結した場合には、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者として対象から除外することは可能)

3 「出生時育児休業」(産後パパ育休)の創設(10月1日施行)

子の出生後8週間以内に4週間まで取得できる柔軟な育児休業の枠組みを創設する。

4 育児休業の分割取得等柔軟な取得が可能に(10月1日施行)

新たに創設された産後パパ育休とは別に、通常の1歳までの育児休業についても分割して2回までの取得を可能とし、また、育児休業を1歳6か月又は2歳まで延長する際も、配偶者が1歳到達日または1歳6か月到達日に育児休業を延長している場合は、本人の育児休業開始時点を柔軟化するなど、育児休業を夫婦が交代取得しやすくする。

 

 このように、産後パパ育休の創設をはじめ、より積極的に育児休業を取得できる体制が整備されることとなり、このことが将来的に医療サービスを担う人材を確保することに繋がっていくと考えられます。

 

 (今回の担当 医療労務管理アドバイザー 長谷川 誠 社会保険労務士)

 

 

▶鳥取県医師会報2022年2月号(No.800)掲載記事はこちら