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第34回 勤改センター通信『正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の禁止について』

令和2年4月1日より改正施行された『短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律』(以下「パートタイム・有期雇用労働法」という)は令和3年4月1日から中小企業への適用が、全面施行となります。そこで、改めて押さえていただきたい内容を書き留めてみます。

 

平成28年「ニッポン一億総活躍プラン」、平成29年「働き方改革実行計画」、平成30年「働き方改革関連法」を経て、パートタイム・有期雇用労働法は雇用形態にかかわらず公正な待遇の確保を目指して改正されました。

 

 改正のポイントは次の3点です。

同一企業で働く正規雇用労働者(期間の定めのない雇用契約の労働者及び無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム・有期雇用・派遣労働者等)との間で、基本給や賞与、手当、福利厚生などあらゆる待遇について、不合理な差(区別)を設けることが禁止されています。

 

法改正により事業主は、非正規雇用労働者から、正規雇用労働者との待遇差の内容や理由について説明を求められた場合には、説明をしなければならず、事業主の説明義務が強化されています。

 

パートタイム・有期雇用労働法で事業主に義務付けられている事項に関する紛争については、非公開で都道府県労働局長による紛争解決の援助と第三者機関である紛争調整委員会による調停の仕組みが設けられています。   

 

正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇差のうち、具体的にどのような差が不合理であるかについては、最終的には司法判断となります。しかし、裁判上の争いになる前に、不合理と認められる可能性のある待遇差は見直しをしておくことが望まれます。 

「非正規労働者だから」「将来の役割期待が異なるので」といった、主観的・抽象的な理由では、不合理でないことの説明としては不十分です。

 まずは待遇差が不合理でないことが具体的に説明でき、労働者も納得できるものであるかを点検しておきましょう。

 

本人に説明するにあたっての注意点として、非正規雇用労働者が説明を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇や配置転換、降格、減給、労働契約の更新拒否等の不利益な取り扱いがなされないよう、ご注意ください。

(今回の担当 医療労務管理アドバイザー 浦部 博 社会保険労務士)

 

▶鳥取県医師会報2021年4月号(No.790)掲載記事はこちら