鳥取県医療勤務環境改善支援センター

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第33回 勤改センター通信「 ストレスチェック~大切なスタッフを失う前にぜひ実施を~ 」

コロナ禍での医療従事者、特に看護師のストレス増が重要な問題として今国会で議論され、田村厚生労働大臣から、早期のストレスチェックにより、燃え尽きる前に対策を打つよう促していきたい、という答弁がありました。

≪ストレスチェックの概要≫

ストレスチェックは、企業のメンタルヘルス対策の1つとして、労働者の精神面に焦点を当てて定期的にチェックすることで、労働者自身のストレスへの気づき・対処を支援するとともに、職場の環境改善を通じてメンタルヘルス不調を未然に防ぐこと(一次予防)を主目的とした制度です。また、高ストレス者に医師の面接指導の機会を与え、早期発見・早期治療につなげる、二次予防の面も併せ持っています。

制度としては、従業員50人以上の事業者に対し、①1年に1回以上、労働者のストレスチェックを行い、その結果を労働者に通知すること、②高いストレスにさらされていると判定された労働者が希望した場合には医師の面接指導を受けさせること、を労働安全衛生法に規定したもので、従業員50人未満の事業場は当分の間、努力義務です。

また、ストレスチェックの結果を職場集団でまとめて分析し、職場環境の改善にも利用することが努力義務とされています。

一方で、メンタルヘルス不調者への偏見差別はまだまだ根強いため、ストレスチェックによって合理的な理由のない差別が増大する危険性があります。そのため、制度の運用上、実施者は医師・保健師・看護師・精神保健福祉士・歯科医師・公認心理士に限定されています。

≪ストレスチェックを始める前に≫

ストレスチェックを始める前に、制度の導入方針を決定及び表明し、制度内容について衛生委員会等で調査審議した項目を盛り込んだ社内規定を作成し、労働者に周知する必要があります。社内規定作成にお困りでしたら、勤改センターにご相談ください。

 

≪ストレスチェックを行うにあたっての相談先≫

「ストレスチェック制度サポートダイヤル」

  https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/helpline/tabid/1008/Default.aspx

ストレスチェック制度 簡単!マニュアル(2019年7月更新)

  https://www.mhlw.go.jp/content/000533965.pdf

ストレスチェック実施マニュアル(2019年7月改訂)

  https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf

ストレスチェックプログラム ダウンロードサイト

  https://stresscheck.mhlw.go.jp/

 

≪コロナ禍だからこそ!≫

「コロナ禍で忙しいからストレスチェックどころじゃない」ではなく、コロナ禍だからこそ重要です。ある日突然、看護師さん達が離職する、そんなことになる前にぜひ実施を!

(今回の担当 医療労務管理アドバイザー 西山理一 社会保険労務士)

 

▶鳥取県医師会報2021年3月号(No.789)掲載記事はこちら