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第27回 勤改センター通信「パワーハラスメント対策が事業主の義務となりました!」

令和2年6月からパワーハラスメント(以下、「パワハラ」という)対策が労働施策総合推進法の改正により事業主の義務となりました。(中小企業は、2022年4月1日から義務化されます。それまでは努力義務です。)

 

事業主は、次の措置を講じなければなりません

(1)事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発

(2)相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

(3)職場におけるパワハラに係る事後の迅速かつ適切な対応

(4)その他の措置(プライバシーの保護、不利益取り扱いの禁止等)

 

アンケートの結果から見えてきたハラスメント対策の留意点(東京海上リスクコンサルティング(株)平成28年調査より)

【パワハラの予防・解決のための取組】

《企業》「実施している」と回答した企業の比率は52.2%で半数を超えている。

《従業員》勤務先が「積極的に取り組んでいる・取り組んでいる」の比率は25.7%であった。

【パワハラの予防・解決のための取組に対する従業員の認知】

《企業》取組内容は、「相談窓口の設置」82.9%、「管理職にパワハラについての研修会を実施」(63.4%)、「就業規則などの社内規定に盛り込んでいる」(61.1%)となっている。

《従業員》勤務先の取組内容は、「相談窓口の設置」(45.5%)、「就業規則などの社内規定に盛り込んでいる」(24.1%)、「パワハラについての研修会を実施」(20.8%)であった。

【パワハラを受けたと感じた従業員の相談先】

「会社関係に相談した」(規模99人以下15.6%、1000人以上24.4%)「会社とは関係のないところに相談した」(規模99人以下28.7%、1000人以上19.8%)であった。

 

(留意点)

パワハラの予防・解決のための取組について企業が取り組んでいる比率と比べ、従業員がそれを認識している比率が低いことがわかります。企業が実施している取組を従業員に周知することに留意する必要があります。また、取組をしている比率の低い小規模の事業所においては、ハラスメントを受けたと感じた者が外部に相談する比率が高くなっています。ハラスメントの事案は、大事に至る前に事業所内で解決することが重要です。小規模の事業所では取組は難しいと考えがちですが、職員ヘのハラスメント研修や管理職の意識改革、コミュニケーションの活性化などにより、日頃から相談しやすい職場環境を作っていくことはできないことではありません。実際に、パワハラの予防・解決のための取組を進めた結果得られた効果について、同アンケートでは、「管理職の意識の変化により職場環境が変わった」(43.1%)、「職場のコミュニケーションが活性化し、風通しがよくなった」(35.6%)、「管理職が適切なマネジメントができるようになった」(28.2%)などが認識されています。

(今回の担当 医療労務管理アドバイザー 安酸 早苗 社会保険労務士)

 

▶鳥取県医師会報2020年9月号(No.783)掲載記事はこちら