健康なんでも相談室

なかなか治らない坐骨神経痛-専門医の診断、治療ですっきりと治ります-

回答者:  鳥取市立病院 森下嗣威

質問

73歳の主婦です。近所の整形外科で坐骨神経痛との診断を受けて、通院は約1年半になります。治療は注射、電気治療、ウォーターベットのマッサージ、はり薬でほとんど毎日通院しています。特に悪化するほどでもないのですが、次第に快方に向かうようないい方法はないものでしょうか。

回答

坐骨神経痛は一つの症状ですので、それが起こる原因はいろいろあります。有名なのは腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)などです。何れの原因でも、腰椎(ようつい:せぼねの腰の部分)で脊髄(せきずい)が圧迫を受けるなどの障害で起こります。

これらの病気に対してまず行う治療は、今回ご相談された方のように注射や薬を使ったり、電気治療や牽引を行ったり、安静にして痛みが治まるのを待ったりする保存的治療と言われるものです。この治療で治る人は、治療を開始して3ヶ月もすれば治ります。

しかし、中にはいくらがんばって保存的治療を受けても痛みなどが取れず苦しんでおられる方がおられます。それは病気が重症なので薬が効かない、すなわち脊髄の圧迫が強すぎる場合が多いです。このような場合には手術を勧めます。手術をすればこれまで悩まされていた神経痛はほぼ治ります。100m歩いたら足がしびれて座り込まないとまた歩けない人でも、いくらでも歩けるようになります。

それぞれの患者様にどんな治療が適切なのか、正確に病状を診断し、十分ご納得いただいた上で治療を進めるようにしています。何か月も通っているのになかなか神経痛が取れない方は、各地域に脊椎脊髄病認定医(せぼねの病気のスペシャリスト)が居ますので、かかりつけの医師に遠慮なくご相談ください。