健康なんでも相談室

60代の膝人工関節手術

回答者:  鳥取県西部医師会員 金子忠弘

 

 

質問

 60代女性です。膝の人工関節について教えてください。5年くらい前から両側の変形性膝関節症に悩んでいます。屋内移動はできますが、長距離の屋外は厳しいです。保存的なリハビリや痛み止めの薬で一時的な改善はありますが、持続性はありません。人工関節の寿命は15年とも聞きましたが、60代で手術は早いでしょうか。手術以外で痛みが減る方法はありますか。

 

回答 

痛みと変形高度なら選択 手術以外では再生医療も

 

 膝の手術は変形が高度であれば、人工関節置換術が選択されます。人工関節では金属同士が衝突して壊れないよう、間にスペーサー(ポリエチレン素材)を挟みます。これが摩耗して壊れたり、摩耗粉が周囲の骨を弱体化させて金属との圧着が緩んだりします。

 しかし最近は素材が改良され、再置換までの期間は20~30年と延びています。平均寿命を参考にすると、60代ではもしかしたら、もう一度再置換手術を受けなければいけないかもしれません。ただ、手術するかどうかは痛み方、生活様式によるので絶対早いとは言い切れません。

 手術以外では再生医療がありますが、高額です。血小板(組織を修復する働きがある)の力を利用した「PRP療法」「APS療法」「PFC-FD療法」などがあり、いずれもご自身の血液を利用します。脂肪組織から採取した幹細胞を増殖させて移植する「幹細胞療法」や、幹細胞の増殖過程で生成され組織改善因子が含まれた「幹細胞上清液療法」などもあります。