40歳女性です。母親が乳がんだったので、毎年マンモグラフィーとエコー検査を受けています。毎回異常はなかったのですが、先日、入浴時に胸を洗っていると、右胸に比べて左胸の上のあたりに張りと硬い感じがしました。母のしこりはビー玉みたいでしたが、そういう感じではなく、もっと広い範囲で硬くなっています。今、生理前で全体的に胸が張っている感じもあり、張りの延長なのか分かりません。毎年検診していても乳がんの見落としはあるのでしょうか。
回答
日常のセルフチェック 中間期乳がん対策を
前回の検診で「異常なし」で2年以内に乳がんと診断さる場合が一定数存在し、「中間期乳がん」と定義されます。原因として、①検診での見落としと②急速進行型の乳がんがあります。
いくつかの研究報告では、検診・検診後に発見される乳がんのうち約20%と報告されているものもあります。①の原因はヒューマンエラー(ダブルチェックしているため少数)、しこりが小さい(5mm以下のしこりは描出困難)、乳腺の濃度が高濃度、しこりの存在部位が撮影範囲外などです。②の原因として、乳がんの約30%のトリプルネガティブ乳がんやHER2たんぱく陽性乳がんなどの増殖速度の速い乳がんがあります。
中間期がんへの対策として、定期検診の継続と日常のセルフチェックが重要です。「検診異常なし=絶対安心」ではありません。ご自身の体に変化や違和感が生じたら医療機関を受診してください。