73歳女性です。1年半で7、8カ所背骨の圧迫骨折をしました。骨粗しょう症があって骨密度は60%と言われています。最初に骨折してからは痛みのため、家事などはしていませんでしたが、次々と骨折を起こしてしまいました。それまでは特にひどい腰痛はなかったのに、骨折してからは痛みが続いています。ドミノ骨折というのはこれほど頻発するものですか。
回答
骨粗しょう症治療継続し連鎖防いで
ご質問の内容は、背骨(椎体)骨折が次々と連鎖して起こる「ドミノ骨折」の典型的な状態と考えられます。骨粗しょう症による椎体骨折を起こした患者さんは、次の骨折が起こる危険性が非常に高くなります。再骨折は最初の骨折後、早期(2年以内)に起こることが多く、骨折していない人に比べて約5倍もリスクが高くなると言われています。骨密度が60%とかなり低いため、重症の骨粗しょう症が原因と考えられます。
これ以上骨折を繰り返さないためには、薬物治療による骨密度・骨質の改善が最も重要です。骨密度が低いことや骨折を繰り返している状況から、骨形成を促進する薬など、専門医と相談の上で治療薬を選択し、継続することが不可欠です。
コルセットなどによる姿勢のサポートや、痛みをコントロールしながら可能な範囲で体幹の筋力を維持・強化するリハビリテーションも大切です。転倒予防のための住環境の整備も重要になります。ドミノ骨折を食い止めるため、早急に専門的な治療を開始し、継続して取り組んでください。