40歳女性。先日、甲状腺乳頭がんと診断を受けました。甲状腺の左葉に約8mmの腫瘍で、検査ではリンパ節転移、遠隔転移はありませんでした。担当医からは手術をせず注意深い経過観察を推奨するが、手術をして取ることも可能だと言われました。手術をした場合、声が出しにくくなるリスク、全身麻酔のリスク、術後出血のリスクなどを説明されました。手術をした場合、ほかにリスクがありますか。術後、傷口が硬くなり息苦しくなると書かれたブログを見たのですが、どういった人がそういった状態になるのですか。
回答
9割以上は増大・進行せず
1cm以下で甲状腺内に収まり、転移のない甲状腺乳頭がんを「微小乳頭がん」と呼びます。微小乳頭がんは特殊で、手術せず経過観察しても9割以上は増大・進行しません。また、増大・進行が見られてから手術しても手遅れにはならないとされています。まずは経過観察が推奨されます。「がん」と診断されると不安でしょうから、手術してしまうことも可能です。
術後起きうる合併症には、声のかすれ(反回神経まひ)、高い声が出にくい(上喉頭神経外枝まひ)、術後出血、術後甲状腺機能低下症などがあります。特に心配されている術後の傷跡の症状は、傷が治癒する過程で生じるもので、誰にでも可能性があります。しかし、一般に手術が大きいほど可能性があり、微小乳頭がんの手術ではないか、ごく軽度のことが多いと思います。担当医とよくご相談ください。