健康なんでも相談室

下肢静脈瘤の治療法は

回答者:  鳥取県中部医師会員 浜崎尚文

 

 

質問

 78歳女性です。若い頃に立ち仕事をしていてふくらはぎの血管が盛り上がってきたので外科を受診しました。静脈瘤の診断で、ストッキングを勧められ購入しました。しばらくは履いていましたが、ストッキングが硬いため履くのに手が痛くなり、時間がかかるので中断してしまいました。最近は炊事するとき、血管の痛がゆさを感じます。人に聞いたのですが、血栓が他に飛ばないか不安です。ストッキングの次は手術しかないのでしょうか。

 

回答 

生活習慣改善などで効果なければ手術を

 

 下肢静脈瘤は血液の流れが悪くなり、足のだるさ、むくみ、かゆみ、痛み、夜間のこむら返りなどが起こる病気です。治療は生活習慣の改善(寝る時に枕1つ分足を上げる、昼間は足を垂らす時間を短くする)と、昼間のストッキングの着用です。ストッキングの着脱が難しければ、巻き付けタイプの圧迫帯が使用できます。

 これらの方法以外で症状を治すには手術が必要です。手術はレーザーを用いて静脈を焼く方法が開発され、手術時間は30分から1時間程度です。局所麻酔で静脈を穿刺して行うため、傷は目立ちません。ストッキングを履かずに足が軽くなるなど症状が改善することが十分に期待できます。

 血栓(血の塊)が飛ぶ心配については、下肢静脈瘤は浅いところにある静脈の病気なので、血栓ができたとしても他に飛ぶことはまずありません。飛ぶ心配があるのは足の深いところにある静脈に血栓ができた場合(エコノミークラス症候群)です。