健康なんでも相談室

変形性膝関節症の治療

回答者:  鳥取県西部医師会員 根津 勝

 

 

質問

 61才の女性です。5年前から歩く時に膝が痛み、整形外科を受診しました。エックス線撮影では、変形性膝関節症はあるがそれほど膝軟骨がすり減っていないため、ずっとヒアルロン酸注射と痛み止めのロキソニン錠、およびロキソニン湿布のみの処方で何とか過ごせています。骨密度はまあまあだとのことです。友人からサプリメントを勧められましたが、医師からは「市販のサプリメントは効果がないからやめてください」と言われたので悩んでいます。膝の状態をよりよくするためにはどのような治療方法がよいでしょうか?最適な治療方法を教えてください。

 

回答 

進行を防ぎ痛み取る治療 整形外科で正しい診断を

 

 エックス線検査の説明からは、軽度の変形性膝関節症と考えられます。

 変形性膝関節症は、軟骨がすり減っていくために炎症が起こって痛みが出る病気です。現在の医療技術では、軟骨の再生は難しく,進行を防ぎながら痛みを取る治療が一般的です。

 保存的治療は、薬物療法として消炎鎮痛剤(内服と外用薬)の処方やヒアルロン酸の関節内注射、物理療法として、電気治療や温熱治療などです。また、装具療法(足底板と膝装具)があります。

 ご自身で努力していただく方法としては、太っておられる方は減量と大腿四頭筋訓練をお勧めします。サプリメントにつきましては、服用しても効果があるという研究結果は証明されていません。いずれにしても、変形性膝関節症という病気をよくご理解いただき、整形外科で正しい診断と治療を受けてください。