健康なんでも相談室

ピロリ菌の再発

回答者:  鳥取県東部医師会員 岡田克夫

 

 

質問

 40代女性です。2年前胃が痛くなり検査した結果、ピロリ菌が見つかり除菌しました。その後の胃カメラの細胞診でピロリ菌はなくなったとのことでした。それで安心していたのですが、先日胃カメラを飲んだところ慢性胃炎だと診断されて、細胞診待ちです。慢性胃炎はピロリ菌が原因だと言われているようなので、なぜ除菌したのにまた慢性胃炎になったのか理由がよくわかりません。私は将来胃がんになってしまうのでしょうか?

 

回答 

除菌治療成功後でも経過観察の継続必要

 

 今回の内視鏡検査でも細胞診を追加されていますので結果を待つ必要がありますが、一般論としてご説明いたします。

 ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は主に乳幼児期に経口感染するとされています。かつての日本人は80%以上の方が感染していましたが、衛生環境の改善に伴い減少しており、40代では20%程度の方が感染していると思われます。ピロリ菌の持続感染は胃がんのリスクであることは判明していますが、除菌治療が成功するとそのリスクを一定程度減らすことができます。

 しかし、除菌が成功しても長年の感染による慢性胃炎の変化は残っていますし、胃がんのリスクもゼロになるわけではありませんので定期的な経過観察は継続していただく必要があります。また、除菌の判定も100%の精度ではありませんので、今回除菌不成功の結果であれば再度の除菌治療(二次除菌)をお勧めします。