健康なんでも相談室

若年性認知症

回答者:  鳥取県西部医師会員 小林ゆう

 

 

質問

 39歳女性です。母が51歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。若年発症では遺伝性があると聞いており不安です。現在は日常生活に支障はありませんが、何かど忘れすると恐怖を感じます。遺伝の確率や、予防するために効果的なことなど教えてください。

 

回答 

生活習慣意識し予防を

 

 認知症は加齢が一因となるため、一般的には高齢者が発症しやすい病気です。しかし65歳未満で発症する場合もあり、「若年性認知症」と呼ばれています。高齢発症と同じく最も多いのはアルツハイマー型認知症です。若年性認知症は、高齢で発症する認知症より遺伝が関係している率は高いとされ、その割合は5%程度とされています。

 アルツハイマー型認知症になりやすい体質かどうかを知る指標の一つにApoE遺伝子があり、現在は検査も普及しています。しかし見つかったからといって必ず発症するわけではありません。アルツハイマー型認知症については、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病や喫煙、運動不足などが後天的な因子とされています。日頃から生活習慣を意識することが、認知症の予防にもつながります。また認知症の発症に強い不安を抱かれていますが、発症しても仕事をしたり趣味を続けたりしている人もたくさんいらっしゃいます。認知症について正しく理解することも大切だと思います。