健康なんでも相談室

軽度のパニック障害薬物治療

回答者:  鳥取県西部医師会員 木下智裕

 

 

質問

 30代女性です。1年ほど前に夜中に突然息苦しさと動悸を感じ、月に1、2回「ドキドキしてきたらどうしよう」と不安を繰り返していました。病院を受診すると軽度のパニック障害と診断されました。薬が処方され、飲み始めて3カ月ほどたちますが発作も予期不安もほとんどありません。なるべく薬は服用したくありませんが、「最低1年は飲み続けた方が再発は防げる」との返答でした。軽度のパニック障害でも1年の内服期間が必要ですか?また薬以外に漢方やサプリメントなども有効ですか?

 

回答 

「不安・恐怖の軽減」漢方薬などの選択も

 

 パニック障害ではうつ病のお薬(抗うつ薬)や抗不安薬(俗にいう安定剤)といったものをよく処方します。どちらもパニック障害のためのお薬というよりは不安・緊張を鎮めるような作用があるため、その効果を期待して使用します。

 精神疾患について(パニック障害でもうつ病でも)、一般的に再発予防の観点で長期間の服用は発作の予防につながると言われています。ただし苦痛の程度や内服の希望は人によって違います。治療期間や内服薬の選択などについては相談の上で計画していくことが重要と考えます。

 治療薬について当院では抗うつ薬や抗不安薬の治療を優先しますが、希望されない方には漢方薬などの治療を選択することもります。「不安・恐怖の軽減」が治療的になることを考えれば、どちらの内服にも意味はあると考えます。