健康なんでも相談室

鳥肌胃炎について

回答者:  鳥取県西部医師会員 藤瀬雅史

 

 

質問

 40代女性です。胃カメラで鳥肌胃炎が確認されたので、生まれて初めてピロリ菌の検査をしました。迅速ウレアーゼ試験では陰性となり、血液検査をしたところ数値的には「グレー」という結果で、今度は検便検査を受けます。
 そこで質問なのですが、担当医の先生も「ピロリ菌がいない場合の鳥肌胃炎というのは珍しい」と言われていましたが、それは通常よりも危ない状態だったり、複雑な病気だったりするのでしょうか?また、先生は「鳥肌胃炎」と言われるのですが、説明時のメモ書きを見ると萎縮性胃炎と書いてありました。鳥肌胃炎について教えてください。また、萎縮性胃炎は同じものですか?

 

回答 

適切な治療と定期検査を

 

 鳥肌胃炎は小児から若年成人の女性に多くみられ、ヘリコバクター・ピロリ菌感染が原因とされています。まれにピロリ菌だけでなく、その他のヘリコバクター属の細菌(ヘリコバクター・ハイルマニ)によっても引き起こされることがわかっていますが、その場合でも過度に心配する必要はありません。

 ピロリ菌感染では比較的に高齢者は萎縮性胃炎という形態を取ることが多く、感染期間の長さによるものと言われています。鳥肌胃炎は、悪性度の高い未分化胃がんが発生するリスクが高いとの報告があり注意が必要ですが、ピロリ菌感染の一つの形態に変わりはありません。鳥肌胃炎に特有の症状はなく「鳥肌胃炎」と診断されたら早めに適切な除菌療法を行い、その後も定期的な胃の内視鏡検査を受けることが大切です。