健康なんでも相談室

慢性膵炎の今後について

回答者:  鳥取県東部医師会員 岡田克夫

 

 

質問

 40代女性です。4カ月前から検査を重ね、慢性膵炎と膵頭部に小さな石があると診断されました。1カ月後に2週間ほど入院して内視鏡手術、体外衝撃波を行う予定です。原因はおそらく多量飲酒であり、通常時は自覚症状があまりなく飲酒の翌日に体中が熱を持ち、倦怠感に襲われることが数回ありました。超音波内視鏡の画像から、主治医には膵臓が少しザラザラしていると言われていますが、断酒以外の食事制限はされていません。1月の血液検査では血糖値やアミラーゼも正常値でした。私の慢性膵炎は今後断酒や暴飲暴食しないなどの生活習慣を守れば進行を食い止めることができるでしょうか。

 

回答 

症状なくても断酒・禁煙 地道に生活習慣改善を

 

 慢性膵炎の原因としては飲酒によるものが最も多いのですが、内視鏡治療される医療機関であれば他の要因も検討されていることと思われます。ご指摘の通り、治療後の膵臓を守るためには断酒がどうしても必要です。また、非アルコール性慢性膵炎においても喫煙は膵石の危険因子とされており、飲酒の有無にかかわらず禁煙も必要です。

体外衝撃波や内視鏡治療後の飲酒や喫煙の継続は、再燃や糖尿病増悪を促進すると考えられます。さらに、慢性膵炎は膵がんの危険因子と考えられていますので、断酒、禁煙による生活習慣改善が慢性膵炎の進行を食い止めると同時に、膵がんのリスクを下げることにもつながると思われます。幸い激しい痛みはないようですが、症状がなくても地道に取り組みを続けていただくようお願いします。