健康なんでも相談室

腎動脈狭窄症について

回答者:  鳥取県西部医師会員 福井毅顕

 

 

質問

 76歳男性です。6年間、高血圧で薬を飲んでいますが、ここ数年の健康診断の数字で、クレアチニン値と腎機能eGFR値がだんだん悪くなっています。薬の影響ではないかと心配です。また時々足腰や肩の痛みがあり、腎機能低下によりクレアチンの排出がうまくできず、筋肉の動きが悪くなって、クレアチニン値が上昇しているのではないかと思われます。このままでは、高血圧型慢性腎炎が心配です。担当医は、年相応のことなのでこのままで様子をみましょうとの診断です。トイレの回数も多いです。今後はどうすれば腎機能が良くなるでしょうか?

 

回答 

腎機能をみながらの血圧管理が重要です

 

 腎動脈狭窄症と診断されており、エコーなどの画像検査で診断がついているのだと思われます。腎動脈狭窄症であればRAS阻害薬といわれるタイプの降圧剤が、他の降圧剤より予後改善につながると考えられています。降圧剤治療開始時の腎機能悪化には注意が必要ですが、6年間治療され副作用がなければ降圧治療は継続が望ましいです。

足腰・肩の痛みについて、腎障害では自覚症状は乏しく、eGFR 30までは無症状が一般的です。腎機能は年間 eGFR 0.5~1程度の低下は加齢による変化と言われています。腎機能が悪化傾向とのことですが、これまでのeGFR悪化速度をまた確認してみてください。高齢者ではeGFR 40以下となると悪化速度がより早まりますので、引き続き担当の先生に注意深い観察をしてもらいましょう。