健康なんでも相談室

降圧剤服用への不安

回答者:  鳥取県西部医師会員 面谷博紀

 

 

質問

 30代女性。数年前から血圧が高めで開業医で経過観察中。血圧がよい時もありまだ薬は服用していませんが、最近、家で135前後/85前後mmHgのことが多くなりました。薬は服用し始めてもやめることはできるのでしょうか。また家庭血圧測定のポイントも教えてください。

 

回答 

高血圧リスク知り治療相談を

 

 日本人の高血圧者数は約4300万人と推定され、そのうち高血圧を認識しているが未治療の方が450万人いると推計されています。

 高血圧治療の目的は、脳心血管病の発症・進展・再発を抑制するとともに、高血圧者がより健康で高い生活の質を保った日常生活ができるように支援することです。

 120/80mmHgを超えて血圧が高くなるほど脳心血管病、慢性腎臓病などの罹患・死亡リスクが高まり、収縮期血圧10mmHgまたは拡張期血圧5mmHg の低下により、主要心血管イベント、脳卒中、心不全などの発症リスクが減少することが知られています。

 家庭血圧が朝晩の平均で135/85mmHg以上あれば高血圧と診断されます。朝と晩1日2回、安静・座位1〜2分後の血圧を測定。朝は起床後1時間以内、排尿後、朝食・服薬前に行い、晩は就寝前に行います。2回ずつ血圧測定することが推奨されています。

 一般に加齢とともに血圧は上昇するため降圧剤を中止することが難しい方が多いことも事実ですが、塩分摂取量6g/日未満、肥満があればカロリー制限や運動により体重を減量、喫煙される方は禁煙することで血圧が低下することが期待され、降圧剤が必要なくなる可能性もあります。改めて主治医と今後の治療方針についてご相談されることをお勧めします。