健康なんでも相談室

腰椎分離症

回答者:  鳥取県西部医師会員 山﨑大輔

 

 

質問

 中学3年生の息子のことです。小学校からサッカー、中学生になり陸上をしていますが、先日腰痛で整形外科にかかり、第5腰椎分離症と診断されました。すでに腰痛もなく運動もしていて、痛みはないようです。
先生もとりあえず痛くないようなら運動をして良いとのことですが、痛みが出たら診察を受けるようにと言われました。今後、日常生活で気を付けるべき点、自宅で行える対処法などはありますか。

 

回答 

下肢のストレッチを推奨

 

 腰椎分離症はスポーツを活発に行っている10歳代の成長期に多く見られ、繰り返して腰を反らしたり回したりすることで腰骨の後方にひび(疲労骨折)が生じた状態です。MRIなどで確認できる発生初期のものに対しては、骨癒合を目指した根治治療を行います。まずコルセットを装着し、骨の癒合状況に応じて3~6カ月間程度スポーツ中止することで骨癒合と痛みの消失が得られます。ただ発症してから時間がたっている場合には骨癒合は期待できませんので、痛みのコントロールをしながらスポーツ復帰をしていきます。相談者の方のケースは発症後時間が経過したものであると考えられます。腰椎分離症になる子どもの多くは身体が硬く、特に太ももの後ろの筋肉が硬いことが腰に負担をかけてしまう原因の一つとなっています。分離症が残っていても強い痛みが持続することは多くありませんので下肢のストレッチをしっかりと行いながら、主治医の指示に従い痛みのない程度で運動復帰することをお勧めします。