健康なんでも相談室

脈の結滞と蝕知不良

回答者:  鳥取県西部医師会員 都田裕之

 

 

質問

 40歳、女性です。数年前から脈が跳ぶことがありましたが、健診の心電図には異常はみられませんでした。最近、夕方の仕事が終わった頃、脈が頻回に跳ぶようになりました。多いときは1分間に5~6回跳びます。その時、胸に「ぐわっ」と、何とも言えない変な感じがして、脈が戻ってからも、しばらく不快感があって動悸がするためとても不安です。また、左の手首の動脈の拍動が右に比べて弱く感じられます。

 

回答 

期外収縮や動脈疾患の可能性

 

 症状の原因は、不整脈の一種の期外収縮と考えられます。期外収縮は、心室の拡張時間が短いうちに起こりますので、拍出量が少なくなり、脈が弱くなります。期外収縮の後は、拡張時間が長くなりますので、拍出量が多くなり、心臓の鼓動と脈が強くなります。上室性、心室性を問わず、期外収縮が心事故につながることは稀です。ただ、心室性期外収縮の場合、心筋梗塞や心筋症、QT延長症候群、ブルガダ症候群では、注意が必要です。診断にはホルター心電図やイベントレコーダーが有用です。生活上の注意として、カフェイン、喫煙、アルコール、ストレス、睡眠不足が期外収縮を誘発したり、増悪させる可能性があります。また、若年女性で片側の腕の脈が弱い場合、大動脈炎症候群が鑑別に上がります。一度、循環器内科を受診されることをお勧めします。