健康なんでも相談室

慢性腰痛

回答者:  鳥取県中部医師会員 森尾泰夫

 

 

質問

 50代女性です。ギックリ腰を繰り返し、すべり症と診断されました。コルセットをしないと怖くて動けません。かかりつけの整形外科では筋肉トレーニングしないと手術になると言われています。トレーニングしても腰が痛くなるだけで、どうしてよいかわかりません。15分程度ならコルセットをすれば歩けます。手術は怖いので、何か治療手段はないでしょうか?

 

回答 

   無理のない体操の継続を

 

  ご質問の内容から判断しますと、腰椎変性すべり症のために腰痛を時々自覚され、また腰痛が襲うのではないかという恐怖感でお困りと推察します。腰椎変性すべり症は腰の骨を連結している椎間板、椎間関節が変性(一種の老化)し、関節が緩くなることにより腰椎の一部(多くは第4腰椎)が前方へずれるために腰痛をきたす病気です。この状態が進行する脊柱管狭窄症となり、馬尾神経、腰椎神経根が圧迫されて下肢のしびれ感や痛みをきたして長距離が歩きにくくなります。薬や運動だけでは症状の緩和が難しいようならば手術をお勧めします。相談者は腰痛が主で臀部下肢痛はないようですので脊柱管狭窄症までには至っておられず、腰椎のすべり部の椎間の動きが大きいことによる腰痛と考えます。現時点では腰痛時はコルセットを装着して生活されればよいと思います。一般的な腰痛体操を覚えられて、無理をされずにストレッチのつもりで継続されることをお勧めします。