健康なんでも相談室

スキルス胃がん?

回答者:  鳥取県西部医師会員 細田明秀

 

 

質問

 40代女性です。時々胃の上部あたり左側がギュッと引きつったような痛みがあります。特に夜中に動けないほどの痛みに襲われる事があります。内視鏡検査では異常なしで慢性胃炎と診断されました。母がスキルス胃がんだったので同じになるかと心配です。

スキルス胃がんは早期発見しにくいと聞きましたが、内視鏡と胃透視ではどちらがスキルス胃がんを発見しやすいでしょうか。発見出来るステージはどの段階からでしょうか。

 

回答 

 早期発見困難、検査と予防を

 

 スキルス胃がんは90%以上がステージⅡ~Ⅳの進行がんで、ステージⅡで発見されることもありますが、残念ながら多くはステージⅣで発見されます。

スキルス胃がんは墨汁を水に垂らした時のように、目立った凹凸をつくらずに広く深く進行してしまいます。このため通常の胃がんに比べ、早期がんの状態で発見することが難しいのです。進行がんとなったスキルス胃がんの診断には、胃の全体像が診られる胃透視は有用ですし、簡単ではない場合もありますが、通常の内視鏡検査でもスキルス胃がんの発見は可能です。

スキルス胃がんに比べて他の胃がんの頻度が多いことを考えると、通常の検診で行う検査としては、内視鏡検査をお勧めします。また、検診を受けること以外に、胃がんの予防としてヘリコバクターピロリ菌の除菌治療を受けること、生活習慣の中では禁煙、減塩、緑黄色野菜の摂取、適度な運動などが挙げられます。