50代男性です。腹部の違和感にて、腹部エコーを受けました。その結果、膵臓(すいぞう)に嚢胞(のうほう)があることがわかりました。主治医の説明によれば、追加検査を必要とする、がんの可能性があるものもあるが、あなたのものはそうではない。一年ごとに腹部エコーで経過観察すれば良いとのことでした。膵臓がんが心配です。一般的でかまいませんので、膵のう胞について教えて下さい。
回答
液状のたまり、経過観察を
膵のう胞とは膵臓の内部や周囲にできる「液体のたまり」のことで、炎症に伴ってできるものと、炎症とは関連の無い「腫瘍性膵のう胞」があります。腫瘍性膵のう胞には、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性のう胞腫瘍、漿(しょう)液性(えきせい)のう胞腫瘍があります。
頻度は、膵管内乳頭粘液性腫瘍が最も多いです。どれも良性疾患ですが、がん化する可能性があります。がん化を疑うサインや手術を考える基準は、以下の通りです。主膵管径が5~9ミリ以上で手術を考えます、10ミリを超えたら強く手術を勧めます。
他には、のう胞の壁が厚い、のう胞内に結節がある、のう胞の大きさが3センチ以上は手術を考えます。また、黄疸(おうだん)がある、画像検査で血流のある結節がある場合は手術を強く勧めます。しかし、膵頭部に病変がある場合は、腹部の手術では最も難易度の高い手術となるために、安易に手術を勧められません。上記のサインが一つでもあれば、専門医と良くご相談ください。