健康なんでも相談室

潰瘍性大腸炎

回答者:  鳥取県東部医師会員 岡田克夫

 

 

質問

 

 一人暮らしの大学生で21歳の息子が、血便が出たので胃腸科を受診したところ、各種検査の結果、潰瘍性大腸炎と診断されました。症状は血便だけだったようで、座薬が処方され、座薬を使って2日後には症状は治まったようです。現在はこの座薬のみで症状は落ち着いているようです。難病指定されている病気にまだまだ若い息子が罹患してしまったことがショックです。一生服薬、最悪は大腸がんや大腸全摘という場合もあり、このショックを本人も受けたのかと思うと胸が張り裂けそうです。でも罹患してしまったものは受け止めて、なんとか前向きに私自身も生きていきたいと思います。日常の生活や食事など今後どのようにしたらいいのか教えてください。

 

 

回答 

  しっかり治療継続を

 

 

 潰瘍性大腸炎の原因は明らかになっていませんが、自己免疫反応の異常によって大腸の粘膜に炎症が持続します。この炎症をコントロールすることで将来の発がんリスクを減らし、増悪して大腸全摘となってしまうことを回避するための治療ですので、しっかりと継続をお願いします。今の座薬は5-アミノサリチル酸(5-ASA)製薬と思われます。症状は軽減されているようですが、粘膜の炎症を鎮静化させることが最終的な目標になります。改善が不十分な場合、免疫反応を調整する治療が必要になってきます。日常ではできるだけストレスを避けた生活が望まれます。食事の制限は基本的に必要ないとする意見もありますが、油ものや刺激物は控えていただくことをお勧めします。