健康なんでも相談室

大動脈弁逆流症

回答者:  鳥取県西部医師会員 竹本直明

 

 

質問

  

  40代男性。中程度の不安障害で動悸(どうき)がするので気になって、検診センターで検査を受けた結果、大動脈弁逆流 (軽度) 経過観察、高血圧症 経過観察、肥満傾向の経過観察、心電図と胸部エックス線検査は異常なしでした。大動脈弁逆流がとても心配なのですが薬とか飲まなくても大丈夫でしょうか?高血圧症、肥満傾向が影響しているか、どんな病気か分からないので、解説と今後のアドバイスをお願いします。ちなみに不安障害で薬を何種類か飲んでいます。

 

回答 

 減塩・肥満改善を

 

 

  心臓はポンプとしての機能を有しており、血液を一方方向に流すために、4つの弁があります。この弁が障害され、血流に異常を生じたものを弁膜症といいます。弁膜症の原因に、感染性、動脈硬化性、退行変性(加齢による変化)、先天性などがあります。ご質問の、大動脈弁逆流症は左心室と大動脈の間にある大動脈弁に異常をきたし、心臓から体へ送り出された血液の一部が、心臓へ逆流する疾患です。症状は、労作時の息切れや心悸亢進(こうしん)、さらには胸痛やめまい、失神発作をおこすことがあります。逆流の程度が強く、症状が出てくるようになれば、手術(人工弁置換術、弁形成術)が必要となります。現在、無症状で逆流の程度も軽度ですので、経過観察でよいと考えます。塩分の摂り過ぎに注意し、肥満傾向を改善し、定期的に受診されることをお勧めします。