80代女性。急に片方のお尻が歩くと痛くなりました。初めは5分間ぐらいで、サイドカーで休めたのに1週間後には立つだけで痛くなるほどです。下肢のしびれはなく、医院でのエックス線では仙(せん)腸(ちょう)関節に少しだけ変形を認めました。治療は1回電気治療を受け、あとは痛み止めを服用しているだけです。対症療法しかないのでしょうか。以前のようにつえなしで元気に歩きたいです。
回答
関節運動の専門医に相談を
質問を拝見し、仙腸関節異常かと思います。仙腸関節はお尻の関節で、腰骨の下にある仙骨と骨盤の間の関節です。ブロック注射も適応ですが、痛くない治療として関節運動学的アプローチという治療法をお勧めします。
この治療法は博田節夫先生が関節の動きの治療で痛みが軽くなることを発見し、開発しました。治療法を簡単に言うと、引っかかった関節を引き離したり、滑らしたりして動かし、本来の位置に戻す手技です。治療を受ける部位で最も重要なのが仙腸関節です。仙腸関節の動く範囲は1~2mm、動きを手で感じて腰の力で治療をします。治療技術は難しく、習得にはたくさんの時間、忍耐が必要です。こうした意味からも、患者さんは日本関節運動学的アプローチ医学会認定の専門医、指導医に相談なさることをお勧めします。「どんな痛みもたちどころに治す!」などというまゆつばものの治療とは全く異なる医学的治療法です。詳しくはホームページを参照して下さい。