60代女性。4か月前から急に耳鳴りが始まり、耳鼻科に通院していますが、検査結果もMRI検査も異常なしでした。今度は耳が詰まる感じがするようになり、耳管通気法という手当をうけましたが、変わりません。ビタミン剤、めまい、頭痛の薬を飲んでいます。耳鳴りに効くというサプリメントをネットで見つけて飲んでいますが、いつまで耳鼻科に通わないといけないでしょうか。
回答
補聴器や音響療法で対応
耳から入った音は脳に伝わり音として認識できます。つまり音は脳で聞いています。年齢の影響などで聴力など耳の機能が低下すると、それを補うため脳は感度を上げ、その影響で耳鳴りを認識し始めます。耳鳴りの治療は耳鳴りそのものを止めることではなく、鳴っていても気にならずに日常生活が送れることが目標です。
お勧めは音響療法といって、補聴器で聞こえを補ったり、豊富な音環境で耳鳴りに向く脳の注意を減らしたりする方法です。具体的には普段からいろいろな音(ラジオや自然音のCDなど)を耳鳴りがかすかに聞こえる程度の音量で流します。これにより脳の注意がいろいろな音に向き、耳鳴りが鳴っていても気にならなくなる可能性があります。個人差もあるので耳鼻咽喉(いんこう)科で相談されてはいかがでしょうか。はじめは難しいかもしれませんが、脳の注意が減ることで耳鳴りによる苦痛が改善していくことを願っています。