健康なんでも相談室

貧血で立ちくらみやふらつき

回答者:  鳥取県東部医師会員 瀬川謙一

 

 

質問

 

 70代、女性。血液検査で貧血を指摘されました。食事に気を付け、市販の造血剤を飲んでいますが、立ちくらみやふらつきがあります。姉が再生不良性貧血を患っており、同じ病気になるのではないかと不安です。姉妹ということで、遺伝的な関係はあるのでしょうか。

 

回答 

  かかりつけ医で血液検査を

 

 

 再生不良性貧血の遺伝的なことを心配されていますが、この病気は後天性がほとんどで、「後天性再生不良性貧血」と呼ばれており、遺伝とは関係ないとされています。遺伝性で、生まれつき発症する「ファンコニ貧血」という遺伝形式をとる病気はありますが、ごくまれです。

貧血を指摘されてから自分で考えて、食事療法や市販薬などで対処されていますが、まずはかかりつけ医で血液検査を受けましょう。心配されている再生不良性貧血かどうかを検査してもいます。必要であれば、精密検査を受けるよう病院を紹介されると思います。

貧血で最も多いのは「鉄欠乏性貧血」で、普段の診療でよく遭遇します。症状は立ちくらみやふらつきなど、質問に書かれている症状です。それに対して、再生不良性貧血は日本で1年間に約1千人しか発症しないという頻度で、決して多い病気ではありません。頻度から考えると鉄欠乏性貧血である可能性が高いと思われるので、かかりつけ医で血液検査を受けることをお勧めます。そして鉄欠乏性貧血であれば、かかりつけ医で治療を受けてください。