健康なんでも相談室

リウマチ性多発筋痛症

回答者:  鳥取県東部医師会員 髙須宣行

 

 

質問

 80代女性。リウマチ性多発筋痛症を患っています。最初は肩の痛みから始まり、腰を深く落として立ち上がることも痛みでつらくなり、寝床から起き上がるのに手も足も使えず大変でした。病院で検査をすると、CRP(炎症の指標)が10とのことで、1年前に1カ月ほど入院しました。現在のCRPは、0.22です。どうしても治したいので、その因果関係をわかりやすく教えてください。

 

回答 

  再発することも、注意を

 

 

 リウマチ性多発筋痛症とは、リウマチとついていますが関節リウマチと全く異なる疾患であり、高齢者に突然起こる頸部(けいぶ)から両肩、上腕や腰部から大腿部(だいたいぶ)にかけての強い痛みで発症する疾患です。関節周囲の滑液包(潤滑液を作製する)の炎症が原因で、筋痛が病名にありますが筋肉が原因ではありません。治療は、基本的にはステロイド投与を行います。質問からは薬剤の種類は不明ですが、治療(たぶんステロイド)が奏功して1年後の炎症は落ち着いていると考えられます。現在、内服中かどうかは不明ですが、寛解状態が維持されれば内服は中止にできます。約25%の方は、発症2年後に内服中止が可能との報告があります。しかし、再発することがしばしばありますので注意を要します。再発すれば、ステロイドの再投与で軽快します。今後も油断することなく、定期的に主治医の診察を受けてください。