健康なんでも相談室

腱鞘炎の再発?

回答者:  鳥取県中部医師会員 清水正人

 

 

質問

 30代女性。昨年11月、腱(けん)鞘炎(しょうえん)と診断され、3回ほど注射をしてもらい(内2回は効果なし)、3月末ごろまでは調子よかったのですが、少し前からまた痛みがあります。昨年の一番ピークの時(鍵も回せないなど)のような痛みではありませんが、動かすと痛いのは確かです。もうしばらく様子を見たほうがいいのか、軽いうちに病院に行った方がいいのでしょうか。また注射でよくなりますか?

 

 

 

回答 

  ドケルバン病の再燃傾向

 

 

 ご質問の内容を拝見いたしますと、母指の痛みであるようなので、手首の腱鞘炎であるドケルバン病と推察いたします。ドケルバン病は手首の母指側にある腱鞘と、そこを通過する腱に炎症が起こる状態で、母指を広げたり動かしたりすると強い痛みが生じます。妊娠出産期、あるいは更年期の女性に多く生じ、また母指をよく使うことでも起こります。治療は局所の安静(母指の固定装具)や投薬に加え、腱鞘内のステロイド注射(脂溶性ステロイドが有効です)を行います。改善しない、あるいは同じような状態を繰り返す(再発)場合は腱鞘を開く手術(腱鞘切開)を行います。注射の効果があったようですが、再燃傾向にあるようです。現在日常生活でお困りになるような痛みならば、受診されたほうがいいと思います。注射以外に装具で固定することも有効です。また注射の効果が数か月持続していることから、再度注射をすることで改善する見込みは十分あると思います。