健康なんでも相談室

傷の処置について

回答者:  鳥取県西部医師会員 広田 裕

 

 

質問

 70代男性。年を重ねると転倒や手足の不自由等により擦り傷や切り傷が絶えません。昔から傷口を消毒して、塗り薬を塗り、ばんそうこうか包帯で傷口を保護しています。しかし、処置を何日後にしたら良いか迷います。また、近年、薬を塗布しない方法があると聞きました。教えてください。

 

 

 

 

 

 

回答 

   個々の傷で違います

 

 

 傷は組織のダメージ、場所、糖尿病などの基礎疾患により、処置方法はひとつずつ違います。
最近、傷は消毒せず、水道水でよく洗うことが勧められています。塗り薬は状況により使いわけが必要です。塗らない方法は、今回記載しきれません。
傷を早く治すには不利な要因をできるだけ減らすほうが重要です。大きな要素は「感染」「異物」「水分」です。「感染」がある(膿(うみ)が出る)傷は頻回に処置する必要があります。市販の貼り物で多量の膿を溜めて受診する方があり、注意が必要です。またトゲなどの異物はとるべきで、さらに大切なのは、傷の湿り具合です。乾きすぎるとかさぶた(痂皮(かひ))ができ、反対に水分が多すぎるとふやけて治りは悪くなります。「ちょうどいい湿り気(湿潤環境)を保つ」ことが非常に大切です。受傷当初は浸み出しが多く、処置も増えます。不安なときは外科系医療機関を受診してください。