健康なんでも相談室

健診での糖代謝異常

回答者:  鳥取県西部医師会員 塩地英希

 

 

質問

 33歳女性。先ごろ行われた健康診断で、糖代謝がC判定の結果で「日常生活に注意し、定期的に検査を受けてください」とのコメントがありました。空腹時血糖110mg/dl・HbA1c6.1%、コレステロールや尿検査は正常、体型は普通型(BMI20.1)です。外食が多く、甘いものをよく食べ、深夜のお酒とおつまみと食生活の乱れは自覚しています。10年前の健康診断結果は異常なく、5年前の妊娠出産時も妊娠糖尿病はありませんでした。母方の親族に肥満が多いですが、糖尿病でしょうか。

 

 

 

 

 

 

回答 

   食事・運動療法の継続を

 

 

 空腹時血糖の基準値は109mg/dl以下、過去1~2ヶ月の血糖値の平均であるHbA1cの基準値は6.2%以下であり、ご質問の方は糖尿病ではなく、境界型といわれる状態です。現在肥満はありませんが、年齢とともに糖代謝の力は低下していくことが多いため、将来的な糖尿病への移行には注意が必要です。糖尿病を防ぐためには、食事・運動療法が基本になります。炭水化物・タンパク質・野菜などをバランスよく、三食きちんと食べ、ウォーキングなどの適度な運動も継続することが大切です。外食は量が多くなりやすく、適正カロリーの倍近くになることもあります。深夜の飲酒やおつまみは、なるべく避けたほうがよいでしょう。炭水化物(糖質)については、少量の減量は差し支えないですが、炭水化物を無しにするなどの、極端な炭水化物制限は避けてください。食事と運動での生活改善を図り、3ヶ月後程度で医療機関を受診し、糖尿病の再検査を受けることをお勧めします。