健康なんでも相談室

逆流性食道炎

回答者:  鳥取県東部医師会員 岡田克夫

 

 

質問

 30代男性。20代の頃から2年に1回胃カメラを受けています。その時から逆流性食道炎(グレードA)と診断されており、さらに昨年はバレット食道と診断されました。10年以上逆流性食道炎(グレードA)のままですが、生活習慣を見直すことで完治するものでしょうか?薬を処方されるのですが、普段胸焼けや吐き気などの不快は全くなく、自覚症状が無いので薬は飲んでいません。やはり薬は飲み続けるべきでしょうか?たまに症状がある時に薬を服用するのではだめでしょうか?

 

 

 

 

 

回答 

 バレット食道は要注意

 

 逆流性食道炎に生活習慣が影響することは確かですが、それ以外にも食道と胃のつなぎ目の形や締める力の強さなども関わってきます。それぞれの要因が影響する程度はかなり個人差があります。脂肪や糖分を取りすぎない、夕食後寝るまでの時間を二時間以上開ける、前かがみの姿勢をできるだけ避けるなど生活習慣に注意しても改善しない場合内服が必要となります。一般的に食道炎の程度が軽く、症状が無ければ内服不要とされることが多いと思われます。しかし、逆流により食道の粘膜が胃酸に適応した粘膜に置換された状態であるバレット食道において全周性で3㎝以上の長さがある場合は食道癌のリスクが高いことが指摘されています。この場合は症状が無くても胃酸の逆流を抑える薬を続けることをお勧めします。