健康なんでも相談室

バレット食道

回答者:  鳥取県東部医師会員 岡田克夫

 

 

質問

 40歳女性。毎年胃カメラ検査をしており、今年は逆流性食道炎とバレット食道があり生検検査しましたが、悪性所見はなく細胞の異型などのがんのリスクもありませんでした。バレット食道は広がると食道がんの発生母地となるので症状を見ながら経過を見ることが必要と書いてあり、次回は2年後に胃カメラでいいとのことです。バレット食道がある人は大体どのくらいの間隔で胃カメラをやったほうがいいですか?癌家系であり、大腸ポリープも毎年切除しているので心配です。

 

 

 

 

 

回答 

 内視鏡検査で経過観察を

 

 バレット食道は食道癌の危険因子として注目されていますが、内視鏡検査で指摘されるすべての方で発癌リスクが高いわけではありません。2年後の経過観察を指示されたとの事ですので、特別にリスクが高いとは判断されていないものと思われます。胃食道逆流症により食道の粘膜が酸環境に適した円柱上皮に置換された状態をバレット食道といいます。全周性で3㎝以上の場合は食道癌の中でも腺癌のリスクが高いことが指摘されています。米国では食道癌のうち、喫煙や飲酒と関連が深い扁平上皮癌よりも腺癌の方が多くなっています。日本でも少しずつ増える傾向にありますが腺癌の割合は数%にとどまっています。内視鏡検査で経過観察する必要がありますが、今後の変化によっては検査間隔を短くするよう指示があるかもしれません。