70代女性。5年前に変形性膝関節の痛みから右膝の人工関節置換術を受けましたが、痛みは今も続いています。歩くと痛くて毎日の生活が困難です。体重を落とすようにウォーキングしますが痛みのため出来ません。現在は痛み止めを１日３回服用しています。痛みを和らげる方法はありますか。また神経ブロックの注射はどのようなものでしょうか。
回答
まずは原因を詳しく調査
人工膝関節置換術では適切な術後疼痛管理が重要となります。術後に長引く疼痛は、人工膝関節置換術を受けた患者さんの10～34％に生じるとの報告があります。痛み止めを服用しても、日常生活に支障を来しているようなので、さぞかし辛い毎日を送っておられるのでしょう。術後疼痛の原因として考えられるのは、人工関節のゆるみや、設置位置不良、術後感染症など、いろいろな要因が挙げられます。疾患によって痛みの性状は様々であり、治療法も異なるため、まずは痛みの原因を詳しく調べることが重要です。手術を受けた病院を受診されるのが望ましいですが、それでも改善しない場合には、セカンドオピニオンとして人工関節の症例数が多い他の病院を受診してみられるのもいいかもしれません。また下肢痛の原因としては、坐骨神経痛などの腰椎疾患の可能性も挙げられます。そのような神経原性の疼痛である場合には、神経ブロックは効果的な治療法であると考えられます。診断には腰椎MRI検査が必要となりますので、総合病院への受診をお勧めします。