健康なんでも相談室

起立性低血圧の治療 

回答者:  鳥取県西部医師会員 面谷博紀

 

質問

 28才女性。17才頃から起立性低血圧症状があり、数ヶ月前より症状が悪化、午前中は動けず、トイレに立つのもやっとの状態です。仕事も辞め家に引きこもっており、夜も眠れない日々が続いていたので心療内科を受診しました。このまま治らなければどうなるのかと不安です。

 

 

 

 

回答 

 薬物療法と非薬物療法

 

 起立性低血圧は若い女性に多く見られ、起立時のめまいやふらつき、眼前暗黒感などが主な症状で、時には失神きたす場合もあります。古典的には仰向けあるいは座った状態から起立後3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg 以上低下する場合、起立性低血圧と定義されます。

 起立時、重力に従って血液は下半身に移動し心臓へ戻る血液量が減り、血圧は下がろうとします。その時、血圧を反射的に維持する機構が生体には備わっていますが、その働きが十分に機能しないと起立性低血圧を生じることになります。治療には非薬物療法と薬物療法があります。まずは、急激な立ち上がりを避ける、脱水や過食、飲酒等を避ける、一日2~3リットルの水分摂取や10gの塩分摂取などの非薬物療法を行い、症状が改善しなければで昇圧剤などの薬物療法を考慮することとなります。特に症状が長く続いている場合は内科的にきちんと診ていただいた上で、どのように治療を行っていくのかを相談されることをお勧めします。