健康なんでも相談室

直立不動の寝相って悪い?

回答者:  鳥取県西部医師会員 安井建一

 

質問

 

 70代男性です。就寝時の姿勢は直立不動の姿勢で朝まで上を向いて寝ます。「パーキンソン病」を患い通院中ですが、各筋肉の力が低下する病と認識しています。就寝時は上向きの姿勢ですが、この状態で気道周辺の筋力が低下して気道を塞いでしまうのではないかと不安です。最悪の状態を防ぐには、辛くても横向きになって寝た方が良いのでしょうか。

 

 

 

回答 

 パーキンソン病の睡眠と呼吸

 

 パーキンソン病は体の動きが鈍くなり、寝返りも難しくなります。不眠、就寝中の体の痛み、寝言や就寝前のムズムズ脚など睡眠問題も多くみられます。

相談者さんは寝た時、起きた時とも直立不動の姿勢、とのことですが、睡眠中全く姿勢を変えず眠っているわけではなく、小さいものかもしれませんが、何度か寝返りを打っていると思われます。全く寝返りを打っていなければ、体が痛くて目が覚めたり、床ずれができたりする筈です。睡眠の質、いびき、呼吸状態などを観察する睡眠時無呼吸検査があり、姿勢や寝返りも確認できます。パーキンソン病でも行う事がありますので病院で相談してみてください。唾液や痰が喉に溜まるなど無いようなら、寝ているときに窒息することは極めて稀です。眠りながらトレーニングはできませんが中途覚醒時に少し姿勢を変える運動をする、また起きているときにできるだけ良い姿勢やストレッチを心がけてみてください。寝返りが打ちやすくなるよう内服薬の相談もしてみてください。