夫、48歳。今年4月脳幹出血による半身不随を起こし現在入院中です。最近担当医より突然C型肝炎ウイルス陽性と言われてショックを受けました。医師は今はどうこうないが将来肝硬変、肝がんになる可能性があり、年1~2回の検診をすすめられました。現在この方の治療は必要ないようですが、将来を考えると不安で眠れません。ご指導下さい。
C型肝炎は自覚症に乏しく、検診で発見されるとか、この方のように他の病気で受診中に偶然発見されるケースが大部分です。
通常、血中のC型肝炎ウイルス抗体の検査が行われますが、これが陽性であっても更にC型肝炎ウイルスのRNAの検査を行いRNAが陰性であればC型肝炎としての治療の必要はありません。しかし、ご質問のケースはRNAも陽性であったものと考えられます。
さて、C型肝炎の治療ですがウイルスをやっつける原因治療としてはインターフェロン療法があります。しかしインターフェロンは止血作用をもつ血小板を減少させる等の副作用があり、脳出血を起したことのある人への使用には危険を伴います。従って、この方の場合、原因治療は困難ですが、対症的に炎症をおさえる薬剤はありますので、体の状態さえ許せば担当医が言っておられるより、もう少し頻回な定期検査(年3~4回の超音波検査を含む)を受けられて血中のGPT等が高くなるようであれば、適宜、炎症を抑える薬剤を使用し肝硬変への移行をおさえる努力が必要となるかもしれません。
C型肝炎が軽症の時期に発見されたことは定期検査を受けることによって、より早期に適切な対応ができるという点で、この方にとって良かったと思います。将来的に肝がんが出来たとしても小さいうちに見つかれば治療法はいろいろあります。また年々進歩もしています。心配されるより定期的な検査をしっかり受けられることが肝要と思います。