健康なんでも相談室

3D映像の小児の眼への影響は

回答者:  鳥取県西部医師会員 神鳥高世

質問

5歳になる長男が3D(三次元)ビデオ映像を見たがりますが、眼への影響はないものでしょうか?

回答

両眼視機能への影響が心配

アナログ映像からデジタル映像の時代になり、映画、テレビ、ゲームなどで3D映像が急速に普及しています。一昔前になりますが、光の点滅するビデオ映像を視聴した小児にてんかん発作のような症状が出現し大騒ぎになったことがありました。そういった意味でご心配なさるのは無理もありません。小児の眼は発達途上にあります。特に、両眼を重ねることにより得られる両眼視機能(物の奥行を知る立体視など)は6歳までに完成しますので、就学までの眼の使い方は大変重要です。

現在の3D映像の主流は二眼式3D映像で、左右の眼に映る映像のズレを利用して飛び出して見えたり、引っ込んで見えたりするものです。その映像は実際の空間よりも極端に奥行きが大きくなるために、自然環境での立体視と異なります。眼科領域ではそのような極端な映像の飛び出しが小児の眼へ影響するのではないかと危惧されていました。

最近、5歳前の男児が3D映画を視聴後に急性内斜視を発症した例が報告されておりますので、特に就学前のお子さんの3D映像の視聴は控えた方が良いのではないかと考えます。