禁煙後の肺炎の経過年数によってリスクは低くなるのかどうか。もし、低くなるならどの程度の変化があるのか、教えてください。
喫煙と肺炎全体についての論文は見つけることができませんでしたが、肺炎の中でも代表的な肺炎球菌感染症については、2004年の論文で、喫煙による罹患率の増加や、禁煙後の罹患率の変化がまとめられていました。
それによると、喫煙者は非喫煙者と比較して、約2倍~3倍、肺炎球菌感染症を罹患する危険性が高くなるとのことでした。
そして禁煙しても禁煙継続10年未満では、その罹患率は有意には低下しませんが、しかし禁煙継続10年以上になってから非喫煙者なみに罹患率が低下するという結果となっていました。
このことから考えると、喫煙者はもちろん禁煙を続けている方でも、肺炎球菌ワクチンなどの肺炎の危険性を減らす対策を考える必要があるようです。ただその一方で、禁煙10年以上で肺炎球菌感染症の危険性が減ってくるのも確かなことですので、やはり禁煙に挑戦し、そしてそれを続けていかれることをお勧めします。