健康なんでも相談室

高齢者の多関節炎

回答者:  鳥取県東部医師会員 山本哲章

質問

高齢者の多関節炎

85歳の女性です。2か月前から手首、指や右膝に腫れと痛みが続き、整形外科を受診、尿、血液検査の結果、CRPのみ高値で、リウマチ反応は陰性でした。最近、朝のこわばりや、手の指の関節が変形もしてきました。床から立ち上がる時はかなり痛く、以前のように歩けません。どういった専門の科を受診したらよいでしょうか。

回答

エコーやMRI検査を

高齢者の関節炎の多くは老化に伴う変形性関節症ですが、一度に多数の関節炎が起きた場合は関節リウマチもしくはリウマチ性多発筋痛症などの可能性があります。

関節リウマチの診断にリウマチ反応を参考にしますが、反応が陽性でも関節リウマチではないこともあり、また関節リウマチの初期では、リウマチ反応が出ないこともあります。最近では血液検査の抗CCP抗体やMMP-3値なども有効とされていますが、関節リウマチの診断において一番大切なのは関節の正確な腫脹を診ることであり、関節腫脹の診断にエコー検査やMRI検査などが有効です。

整形外科や内科のリウマチ専門医の診察をうけ、必要に応じた検査を行い、適切な治療を開始されると症状は改善されると思われます。