健康なんでも相談室

高齢者のほてり-慢性は高血圧などが原因

回答者:  西部医師会員 都田裕之

質問

85歳、女性。発作性頻拍症、高血圧症、逆流性食道炎、便秘、不安神経症の治療を受けています。昨年10月頃から、体中の「ほてり」で悩んでいます。午前10時頃からポカポカほてり、夜は足を出して寝ています。

回答

「ほてり」は異常な熱感があることを意味します。「ほてり」のほとんどは、血管運動神経の働きにより、体表面に近い血管が拡張し、盛んに熱を発散するようになることによります。血管の拡張によるもの以外には、神経障害や皮膚の炎症によるものがあります。突発的な「ほてり」の原因には、感染症などによる発熱、熱中症、精神的な緊張、気温の上昇、暖房、人ごみなどがあります。慢性的な「ほてり」の原因には、甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、高血圧症、動脈硬化症、糖尿病、多血症、皮膚疾患、出産後、更年期障害、自律神経失調症、薬の副作用などがあります。この方の場合、現在、漢方薬の投与を受けていらっしゃいますが、症状が持続していますので、服用中の降圧薬(カルシウム拮抗薬)の作用を含めて、改めて原因の検索を行う必要があると考えられます。