健康なんでも相談室

高血圧と糖尿病に適した運動は?-無理のない運動の継続が大切-

回答者:  東部医師会員 日笠親績

質問

70歳の女性です。10年くらい前から糖尿病と高血圧があります。高血圧も糖尿病も薬を飲んでいて、現在はいい状態だといわれています。運動をするようによく言われますがどのような運動がよいのでしょうか。また、なにか注意点があれば教えてください。

回答

高血圧と糖尿病が合併した場合は動脈硬化が進行しやすいためその治療には厳重な管理が必要です。これらの病気の治療には薬物療法や食事療法だけではなく、運動療法が重要な位置を占めています。運動することにより血圧も血糖も下がるという効果があります。運動の種類としては、有酸素運動が適しています。酸素をとりいれながら酸素を利用してエネルギーを産出するような運動です。

具体的には軽いジョギング、早足の散歩、サイクリング、エアロビクス、ゆっくり泳ぐ水泳などです。なかでも、早足の散歩が実行しやすいという理由でよく勧められています。週3回以上、1日に30分くらいの早足散歩が適していると思われます。さらに糖尿病では軽い筋力トレーニングの併用がすすめられます。手軽なものでは椅子よりの起立、着席や踏み台の昇降などを早足散歩に組み合わせるといいでしょう。器械を使うものでは、最近時々耳にするパワーリハビリテーションの利用などが考えられます。膝や腰が痛い場合は水中歩行やゆっくりした水泳がお勧めです。

運動療法の注意点をあげておきます。血圧が余りに高い場合は休んだほうが無難です。おおよそ上の血圧が180以下なら運動は可能と思います。早朝に血圧が高い人がありますので朝早くからの運動はお勧めしません。年齢から考えると強さとしては運動中の脈拍が100程度までの運動としましょう。低血糖の可能性を考えると食後1時間頃の運動がいいと思われます。おおよそ以上のように考えますが合併症の状態によっても違いますので主治医に相談されたほうがいいと思われます。いづれにしても継続することがもっとも大切です。