健康なんでも相談室

高尿酸血症の治療法-薬物療法と生活習慣改善-

回答者:  鳥取県医師会理事 吉田眞人

質問

先日痛風発作の原因についての記事を読みましたが、私も健診で高尿酸血症を指摘されました。今回は治療について教えてください。

回答

からだの中では毎日一定量の尿酸が作られ、ほぼ同量が腎臓から尿へ排泄されています。この産生と排泄のバランスが崩れると高尿酸血症になります。このバランスが崩れる要因は生まれつきの体質にある場合がほとんどですが、肥満、飲み過ぎ、食べ過ぎ、ストレスなどの要因もあげられています。

高尿酸血症のタイプは①排泄低下型(60%)②産生過剰型(10%)③混合型(30%)に分かれます。これは医師に尿中の尿酸とクレアチニンを測定してもらえば判別できます。治療は、薬物療法と、生活習慣改善を併行して行うことが大切です。①のタイプに対しては「尿酸排泄促進薬」、②に対しては「尿酸産生抑制薬」を主に使います。又、尿をアルカリ化すると尿酸が溶けやすくなるので「尿アルカリ化薬」もよく使われます。生活習慣改善のポイントは、Ⅰ標準体重に減量する。Ⅱ肉類・内臓類・魚介類のとりすぎを避け低脂肪乳製品や大豆など植物性たんぱく質を継続的にとる。Ⅲアルコールを控える。(とくにビールは蒸留酒に比べ170倍もプリン体が多い。)Ⅳストレスや、時々激しい運動をすることは発作を起こしやすいので気をつける、等が上げられます。

高コレステロール血症や糖尿病などに比べて注目度は低いですが、高尿酸血症も重要な生活習慣病の一つであり、きちんと治療すべきものです。