健康なんでも相談室

髄膜腫(ずいまくしゅ)はどんな病気?

回答者:  鳥取県西部医師会員 芦立 久

質問

 70代女性です。今年の2月に脳のMRIの検査で髄膜腫がみつかりました。大きさは1cmぐらいです。自覚症状はありません。良性だそうです。8月に再検査をして治療を考えるということです。どんな病気か治療法などお伺いします。

 

 

回答

 脳(のう)腫瘍(しゅよう)のひとつです

 

 髄膜腫(ずいまくしゅ)は、脳(のう)腫瘍(しゅよう)のひとつです。脳腫瘍はいくつかの種類に分類されますが、髄膜腫は脳腫瘍のなかでは最も頻度が高く、良性であることが多い腫瘍です。また、女性に多いのが特徴です。脳(のう)実質(じっしつ)(脳そのもの)ではなく脳を包む髄(ずい)膜(まく)から発生します。腫瘍のできる場所によって様々な症状がでます。頭痛や手足の麻痺、視力(しりょく)障害(しょうがい)、てんかんなどがあります。 髄膜腫の治療法は、患者さんの年齢や症状、腫瘍の場所や大きさ、などを考慮して選択します。原則的には手術ですが、小さな髄膜腫の場合、ガンマナイフなどの定位(ていい)放射(ほうしゃ)線(せん)治療(ちりょう)(腫瘍だけに集中して放射線を照射する方法)を行うこともあります。無症状で、小さな髄膜腫の場合には、定期的に画像を撮りながら経過観察されることが多いようです。 今回の70代女性の方の場合、大きさは1cm、自覚症状はないとのことですので、8月のMRIが、2月のものと変わりがなければ、定期的なMRIによる経過観察という選択もあると思われます。主治医の先生とよく相談して決められると良いと思います。